神奈川高校野球ステーション > 高校野球ニュース > 高校球児のための熱い暑い夏をのりきる方法

【特別連載】 暑さがからだに及ぼす影響は?


 体温は脳の視床下部にある体温調節中枢によって、ほぼ一定に保たれています。人間の全ての組織は熱を生産しますが、ほとんどの熱は肝臓、心臓、脳、筋肉など、働きの活発な組織によって生産されます。特に活動時の筋肉は他の組織の40倍の熱を発するといわれ、体を動かすと温かくなるのはそのためです。

 人間は体温が上がると皮膚の血流量を増加させ、代謝熱を深部組織からからだの表面へ移動させたり、汗をかいて汗の蒸発によるからだの冷却をおこなったりします。しかし、高温の環境では運動によって生じた熱が放散されにくいため、これが熱中症の原因となるのです。<つづく>


高校球児のための熱い暑い夏をのりきる方法
筆者:TACOATC
NATA公認アスレティックトレーナー
NSCA公認ストレングス&コンディショニングスペシャリスト




熱中症とは?


 熱中症は暑熱環境でおこる障害の総称をいい、その障害には、熱けいれん、熱失神、熱疲労、熱射病があります。

熱けいれん
 暑い環境で長時間運動を行い大量に汗をかいたときに、水分のみ補給して電解質を補給しなかった時におこる筋肉のけいれんで、特に脚、腕、腹部におこります。体温は正常で、発汗が多いのが特徴です。処置としては、すぐに涼しいところに移動させ、水分(スポーツドリンクなど)をしっかり補給し、患部を冷やしながらけいれんを起こした筋肉を軽くのばしてあげるとよいでしょう。

熱失神
 暑さによる皮膚血管の拡張などにより、血圧が低下して脳の血流が減少するため、めまいや失神がおきたりします。顔色がわるかったり、呼吸数が増加、冷や汗がおこるのが熱失神の特徴です。熱失神の処置は涼しいとことに移動させ、衣服を緩めて寝かせることが大事です。意識があるばあいは水分補給させることが必要ですが、はっきりしない場合は無理に水を飲ませると飲んだ水がのどに詰まり非常に危険です。その場合は点滴による水分補給が必要となるので、すぐに医療機関へ行かせましょう。

熱疲労
 脱水で循環血液量の減少により臓器の血流が減少したためにおこります。脱力感、倦怠感、めまい、頭痛、吐き気などがあり、大量の発汗と、蒼白く湿った皮膚、脈が弱いのが特徴です。熱疲労もすぐに風通しのよい涼しい場所に移動させ、水分補給をさせます。首やわきの下など大きな動脈がある所を氷などで冷やすと血液が冷やされ、その冷えた血液が循環して早く体温を下げることができます。ここで注意しなければいけないのは、大きな動脈のない部位を冷やしすぎると皮膚の血管が収縮して血流が悪くなり、その皮膚の温度が下がるだけで体温が下がらないので、気をつけましょう。

熱射病
 体温調節中枢の機能障害により、体温がどんどん上昇して40度以上にもなります。意識障害がおこり、皮膚は熱く乾燥して紅潮します。ひどいときには死亡することもあります。処置としては、すぐに涼しいところに移動させ、全身に水をかけて扇いで冷却したり、熱疲労と同じように首やわきの下など大きな動脈があるところを氷などの冷却剤で冷やします。また、すぐに救急車を呼び、医療機関へ搬送させることが必要です。

 このようなことがおこらないようにするためにはどうしたら良いのでしょう?


高校球児のための熱い暑い夏をのりきる方法
筆者:TACOATC
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暑さに徐々に慣れる


 5〜6月は、肌寒い日が続いたとおもったら急に暑くなったりと日々の気温の差が著しい時期です。からだが高い気温に馴化するには5〜10日ほどかかるといいます。合宿の初期や急に気温や湿度が高くなった日は多めに休憩をいれて、からだが暑さに慣れてから通常の練習を行うようにしましょう。


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練習の時間帯を見直そう


 湿度と気温が著しく高い日や時間帯は、外での長時間の練習をなるべく避け、直射日光の当たらないところで練習をしたり、こまめに休憩をいれるなどして、熱中症を予防しましょう。


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服装について


 練習時はなるべく軽装にして、試合のユニフォームはアンダーシャツなど、重ね着をしなくてはならないので、汗をよく吸収する素材や通気性のよい素材の服を着ましょう。黒や紺などの色は熱を吸収しやすいので、白などなるべく色の薄い服を着用しましょう。また、着替えを余分に準備して、汗をかいたらこまめに着替えましょう。


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筆者:TACOATC
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水分補給のしかた


 人は汗や尿、呼吸などから水分が失われています。一般の成人は一日に約2.5リットルの水が必要といわれています。そして運動時は、個人差はありますが、1時間に0.8〜3リットルの水分が失われます。体重の2%の水分がからだから失われると、喉の渇きを感じますが、このときは既に脱水初期のシグナルなのです。

 さらにこのシグナルを無視して、4%以上の水分が失われると、からだはエネルギーの生産がうまくできず脱力感が起こるだけでなく、吐き気やめまい、筋力・筋持久力の低下、血液量の減少から起こる心臓の機能低下、体温調節機能の低下、内臓の機能低下など様々な弊害がおこります。

 練習中は15分〜20分おきにコップに半分くらいの水分を補給し、練習の前後もしっかり水分補給をしましょう。給水所をベンチだけではなく外野のほうにも設置して、守備練習をしている選手がいつでも給水ができるように配慮したり、各自でウォーターボトルを持ちこまめに水分補給ができるようにすることも必要です。


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スポーツドリンクを活用しよう


 汗を大量にかいたときは水分と一緒にからだの電解質(ナトリウム、カリウム、カルシウム)も失われます。その電解質は神経の伝達や分泌線の活動、筋肉の収縮などに必要です。スポーツドリンクにはそのような電解質だけでなく糖分もふくまれている為、筋肉を動かすのに必要なエネルギーも供給できます。しかしあまり糖分の多い飲料を摂取すると体内への吸収が遅くなるので注意しましょう。


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バランスの取れた食事を心がけよう


 夏の暑い日には食欲が落ちるという人はいませんか? 食べやすいからといってそうめんやざるそばだけなど偏った食事をしていると、必要な栄養分が摂取できません。またアイスクリームなど冷たいものばかりを食べたりすると胃腸の調子が悪くなったりして、夏バテの原因となります。

 主食(ご飯、麺類、パンなど)、主菜(肉類、魚類)副菜(サラダ、煮物など)、汁物、デザート(フルーツ、乳製品)で、1日30品目を目標に食べるようにしましょう。

 運動時に多く失われる鉄分も食事から十分にとることができます。鉄分が不足すると、貧血になったり、疲れやすくなったりします。赤身の肉や魚、ほうれん草、貝類などから摂取しましょう。鉄分は緑茶に含まれるタンニンと一緒にとると吸収が妨げられてしまいます。食事の時の飲み物は麦茶やほうじ茶にしましょう。

《おわり》

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Baseball Clinic 「シーズン中の体づくり」


Baseball Clinic 2006/06/17 ベースボールクリニック 2006/06/17発売号

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 ■ [今月の巻頭企画]
 大学野球の理想形求める東海大の挑戦

●特集 シーズン中の体づくり
 これまで、オフのトレーニングに焦点を当てた特集は多く組んできたが、そもそも高校生などの成長期は、たとえシーズン中であっても体づくりを抜きにしての指導は考えにくいのではないか。体が出来上がるにつれて、技術面での伸びが伴うということは、取材の際によく耳にしてきた。そこで、今月の特集は、高校野球監督がオフ以外の時期のトレーニングをどのように考えているかを現場からの声として集めたPART1のほか、PART2でトレーナー的な立場から、PART3では内科のスポーツドクターの立場から、それぞれ提言を行っていただいている。

[PART1]
現場からの声
住吉信篤(群馬・高崎商監督)
岡田敬三(愛知・愛知啓成高監督)
福谷祥(高知・高知中央高監督)

[PART2]
高校でここまでという水準に上げるのに冬場だけでは不足
上里田哲英(兵庫・神戸国際大付高コーチ)

[PART3]
大事な選手の体を守るための夏場のトレーニングの留意点
大庭治雄(おおば内科クリニック院長)

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●連載
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第78回選抜大会1回戦 今治北vs延岡学園
伊原春樹(元西武ほか監督)の実戦野球学<2>
ベースボールキネティックトレーニング<10>
メジャー審判への道<36>
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レジー・スミスのジュニアベースボールアカデミー<55>
新時代のチーム運営を考える<21>
ことばで伝える野球の道「ショートストップの囁き」<4>
アマチュア野球情報アラカルト
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小学生のティーボール指導<2>
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佐藤洋&佐々木弘史(秋田・秋田商) 解説・小野平監督
選手の体をつくる「野球食」レシピ<55> 海老久美子(ニュートリションコーチ)

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